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第24回北奥羽放射線治療懇話会

 2019年9月7日土曜日、秋田県の田沢湖にほど近いプラザホテル山麗荘にて第24回北奥羽放射線治療懇話会が開催されました。

 弘前大学からは放射線治療に携わっている医師、看護師、放射線技師の総勢19名が参加してきました。
 これまでながらく岩手県八幡平市で開催されていましたが、今年は諸事情により田沢湖にほど近いプラザホテル山麗荘へと会場を移しての開催となりました。初めて開催する会場にも関わらず、事前の準備から当日の会の運営、そして大規模な懇親会、宿泊まで周到に準備していただいた安倍先生、和田先生、熊谷先生他、秋田大学の関係者の皆様、本当にありがとうございました。
 今回、弘前大学からは畑山佳臣先生、奈良祐佳看護師、鈴木将志技師の三名が発表されました。
 畑山先生は「線量分布図カンファレンス導入から 8 年 〜治療計画における弘前大学のこだわり〜」と題して、放射線治療計画ガイドラインや教科書には詳細な記述のない部分に関して、弘前大学が長年の経験において試行錯誤と改善を繰り返す中で確立した手法やこだわりを発表されました。毎週の分布図カンファレンスにおいて、治療方針や治療計画の手法をアップデートし、均てん化を目指す雰囲気は非常に素晴らしい環境であると改めて感じました。
 奈良看護師は「放射線皮膚炎を最小限にとどめるための病棟での取り組み」と題して、特に頭頚部や食道の治療症例における皮膚炎の予防・ケア方法、また退院後の経過等を発表されました。私自身、退院後早期の患者さんを診察する機会がまだ少ないため、放射線治療終了後にピークに達した皮膚炎の写真を見て、治療終了時の説明や外用剤処方の重要性について改めて認識させられる良い機会となりました。
 鈴木技師は「照射業務における安全性確立に向けて」というテーマで、治療計画から実際の治療における各フェーズごとの入念な患者情報チェックの工夫や、1日2回照射といったイレギュラーな治療におけるミスを防ぐための対策等、弘前大学が事故防止のために日々欠かさず取り組み続けている業務について発表されました。
 そして、特別講演では、自治医科大学放射線科教授若月優先生より子宮頸がん治療の歴史から、国内外の治療法の違いをとても分かりやすく発表いただき、またサイズが大きく・不均一な形状の腫瘍に対する小線源治療のトピックスや、中央遮蔽照射の妥当性の検討など、目から鱗の内容ばかりであり、あっという間の1時間でありました。
 さて、開催場所は変われど集まる人間は北東北の放射線治療をより良いものにしようと励む気心の知れた仲間ばかりが集う北奥羽ですが、その北奥羽の本番ともいわれる懇親会、そして二次会が盛大に盛り上がったことは言わずもがな。この雰囲気、学生の皆さんや研修医の先生方にも味わっていただきたいですね。来年度、ぜひ皆様もご一緒に!
(本文:一瀬浩司)

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