放射線治療の進め方

放射線治療には大きく分けて「診察」「治療計画」「照射」そして「経過観察」4つのステップがあります。

STEP.1

診察

診察は放射線科外来で行います。放射線治療医があなたを診察し、また種々の検査結果を参考にして治療方針(どの部位に、どの装置を使って、どのくらい放射線を照射するのか)を決定します。

放射線治療の進め方

STEP.2

治療計画を立てる

治療計画とは、実際に放射線を照射する前に、最適な範囲や方向を決めるためのものです。治療を毎回同じ姿勢で行うために、からだの一部を固定するための道具を作成したり、CTシミュレータという装置でCTを撮り、そのCT画像で確認される病巣に対して、治療計画用コンピュータでどのように照射すれば最良かを計算し、治療箇所を決定します。

治療箇所を同定するために、あなたの治療部位の皮膚にマジックでしるしをつけますが、消えないようにご注意下さい。治療計画に要する時間は患者さんによって異なりますが、約1時間前後で終了し、いよいよ「放射線の照射」になります。

放射線治療の進め方

STEP.3

放射線の照射

治療室内には患者さん以外は入れませんが、治療中の様子はテレビモニターで操作室の技師が見ていますので心配いりません。また、マイクを通して会話もできますので、具合の悪いことがあれぱ合図するか、声でお知らせ下さい。

1回目の治療には少々時間がかかることがありますが、普段の治療は1部位につき10分位で、そのうち実際に放射線が照射されているのは、数十秒から5分程度です。治療部位を出しやすい服装にしていただくと、スムーズに進めることができます。

からだに放射線があたっても痛みや熱さはありませんので、照射中は動かないようにして下さい。照射中にからだが動きますと、患部に十分な放射線があたらなかったり、まわりの正常部分に悪影響を及ぽす可能性があります。もともとの病気のために痛くてじっとしていられない方は、あらかじめ申し出て下さい。また、照射中に機械が回転する場合もありますが、決してあなたに触れることはありませんのでご安心下さい。

放射線治療は決められた回数の治療を終えて、はじめて一定の効果が出るものです。途中でやめてしまうと効果があらわれないばかりではなく、その後の治療に支障をきたすことにもなりますので、決められた治療の回数を受けるようにしましょう。

放射線治療の進め方

STEP.4

経過観察について

診察は放射線科外来で行います。放射線治療医があなたを診察し、また種々の検査結果を参考にして治療方針(どの部位に、どの装置を使って、どのくらい放射線を照射するのか)を決定します。

放射線治療にはどんな副作用があるのですか?

治療装置、治療技術、治療方法の発達した現在では、以前と比較して放射線治療に伴う副作用は明かに軽減されています。しかし、治療が必要な病変部周囲の正常な部分がどうしても照射範囲に含まれるために、ある程度の副作用の発生は避けられないのです。

放射線治療の副作用には2種類あり、ひとつは治療をしている間に起るもので、急性反応といいます。もうひとつは治療が終わって半年以降に起こってくるもので晩期反応といいます。治療中に起こる反応は一時的なもので治療が終われば改善します。(つらいときは症状に応じた処置をしたり、治療を数日休むことで改善してきます。)

一方、晩期反応は一般に症状が出現するとなかなか治りにくいものもあります。急性反応が強いからといって晩期反応が強いという訳ではありません。これらの反応は患者さんによって異なりますので、改めてご説明いたします。


治療を受けている部分の皮膚について

照射を受けている部位の皮膚には、治療にともなって以下のような変化が起こることがあります。これらの変化は、多くの場合治療が終了して1~2カ月すると元に戻りますが、少し着色する時もあります。

  1. 日焼けの時のように皮膚が赤くなります
  2. カサカサして痒くなってきます
  3. 皮膚かジクジクしてきます
  4. 水ぶくれのようになる場合もあります

次のようなことに注意して下さい。

  • こすったり掻いたりしてはいけません。
  • 治療部位をきつく締めつけるような服装はやめましょう。
    また、皮膚の保護のためすれることの少ない布を使用しましょう。
    当科では絹の着用をすすめています。
  • 治療部位は直射日光に当てないようにしましょう。
  • 入浴や照射部位への軟膏、湿布は医師に相談して下さい